【2020年最新版】AI人材はここで活躍する!AIエンジニアの活躍フィールド10選

AI人材

みなさんは「AI人材」と聞いて、どのような働き方をイメージしますか?

「いまいちピンとこないな・・」という方もいらっしゃると思います。

実はAI人材には明確な定義があります。

今回の記事では、

  • AI人材の定義
  • AI人材の価値

に触れます。

そして、AI人材の中でも、未経験からでも目指しやすい「AIエンジニア」の活躍フィールドをご紹介します。

記事を読み終わるころには、「AI人材の種類」「AIエンジニアが活躍する場所がはっきりとイメージできるようになるかと思います。

特にこれからAIエンジニアを目指す方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

目次

AI人材の定義

AI人材の定義

さっそく「AI人材」の定義を確認していきましょう。

IPA(情報処理推進機構)が発行している「IT人材白書2019」によると、AI人材には「AI研究者」、「AI開発者」、「AI事業企画」の3つに分かれると紹介されています。

区分 詳細
研究者 <エキスパートレベル>
AI を実現する数理モデル(以下、「AI モデル」という。)についての研究を行う人材。AI に関連する分野で学位(博士号等)を有するなど、学術的な素養を備えた上で研究に従事する、AI に関する学術論文を執筆・発表した実績があるか、少なくとも自身の研究領域に関する学術論文に日頃から目を通しているような人材を想定。
開発者 <エキスパートレベル>
AI モデルやその背景となる技術的な概念を理解した上で、そのモデルをソフトウェアやシステムとして実装できる人材(博士号取得者等を含む、学術論文を理解できるレベルの人材を想定)。
<ミドルレベル>
既存の AI ライブラリ等を活用して、AI 機能を搭載したソフトウェアやシステムを開発できる人材。
事業企画 <エキスパートレベル>
AI モデルやその背景となる技術的な概念を理解した上で、AI を活用した製品・サービスを企画し、市場に売り出すことができる人材(博士号取得者等を含む、学術論文を理解できるレベルの人材を想定)。
<ミドルレベル>
AIの特徴や課題等を理解した上で、AIを活用した製品・サービスを企画し、市場に売り出すことができる人材。

引用:IT人材白書2019

この内、「研究者」、「事業企画」は大学での専門的な研究や事業運用経験が必要になります。もし、未経験からAI関連の職業を目指す場合は、まずは「AI開発者のミドルレベル」に舵を切った方が夢を実現しやすいでしょう。

2020年以降、AI人材の価値はさらに高まる

ここでは、国が発行しているデータを元に「AI人材」のニーズを検証します。

AI人材は不足している

経済産業省が2019年3月にまとめた「IT人材需給に関する調査」によると、2018年1.1万人であったAI人材は、2025年には7.9万人、2030年には12万人まで増加すると予想しています。

一方、AI人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、2018年は4.1万人、2030年には12.4万人と、2018年比で「4倍不足する」計算です。

図:AI人材の需給ギャップ

AI人材は需要に対して供給が追い付いていない状況で、人材不足を補うために人材育成が求められています。

なお、AI人材の内、AIエンジニアの将来性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

◆AIエンジニアに将来性はある?技術動向や求められるスキルを確認

大学や企業が人材育成に力を入れている

大学や企業が人材育成に力を入れている

AI人材を育成しようと大学や企業でも動きがあります。

大学では、AIエンジニアを養成する学部や学科が次々と開設されています。

表:大学におけるAI関連学部(カッコは開設年)

大学 学部・研究科
滋賀大学
(2017)
データサイエンス学部
横浜市立大学
(2018)
データサイエンス学部
中部大学
(2018)
ロボット理工学専攻
武蔵野大学
(2019)
データサイエンス学部
東京農工大学
(2019)
知能情報システム工学部

筆者は仕事がら東京農工大学の近くを通ることがあるのですが、学部が新設された年には、大々的に横断幕が掲げられていたことを思い出します。

企業においては、富士通総研、TIS株式会社などの「AI人材育成サービス」が盛んです。また、「G検定」を始めとした、AI関連の資格取得を推奨する企業も増えています。

なお、資格の価値はこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

◆未経験からAIエンジニアになるには資格は必要?取得するメリットはあるの?

AI人材の年収は?

AI人材の年収は?

AI人材を目指す場合、年収は気になるところです。

AIは新しい技術であり、年収は企業によってばらつきがあります。

経済産業省が平成29年に公表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」が参考になります。

IT人材のレベルを1~7に分けて、それぞれの平均年収を算出したモデルで、AI人材の年収を予測する際に役立ちますので、ここでお伝えします。

表:IT人材レベル
※「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から引用

レベル 概要
レベル1 新人・初級者レベル/仕事に慣れ始めたレベル
レベル2 上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベル
レベル3 独立して仕事ができる中堅人材レベル
レベル4 部下を指導できるチームリーダーレベル
レベル5 社内での指導者・幹部レベル
レベル6 国内で著名なレベル
レベル7 国際的に著名なレベル

レベルごとの平均年収が算出されていて、図で示すと次のようになります。

図:IT人材の平均年収

AIエンジニアになりたての頃は、レベル1~2の400~500万円が相場です。経験を重ねキャリアアップをすることで、1,000万円クラスの稼ぎを目指せます。

なお、年収はこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

◆AIエンジニアの年収と求められるスキル!未経験でも高年収を狙える?

求められる人材へ!AIエンジニアの活躍フィールド10選

求められる人材へ!AIエンジニアの活躍フィールド10選

ここでは、AIエンジニアが実際に活躍しているフィールドをご紹介します。

活躍している姿のイメージを膨らませることで、「求められるAI人材」が明確になります。

事例①:感染拡大予測

国内では落ち着きを取り戻しつつある「新型コロナウイルス」。ハーバード大学を始めとして、新型コロナウイルスの感染拡大予測にAIが使われています。人口、人の移動、地理などの各種条件をAIが解析することで、感染拡大を予測する仕組みです。

参考資料:日経電子版「新型コロナ感染拡大 AIで予測、早期に抑え込み」

新型コロナウイルスの影響で、今後は各企業のパンデミック対策への投資が増加する見込みです。それに伴い、データを分析できる「データサイエンティスト」のニーズは今以上に高まると予想されています。

事例②:医療情報

医療の分野では、特に「AIによる病気の診断機能」が待ち望まれています。1日に多くの患者と接する医師は、その日の体調から診断の見落としが無いとも言い切れません。医師の診断とAIによるダブルチェックを併用すれば、病気の診断精度は間違いなく向上することでしょう。

筆者は長年医療IT業界に携わっていますが、どのメーカーの電子カルテにも「AIによる病気の診断機能」はありません。元々、電子カルテはAIを考慮した設計した作りになっていないため、AIエンジニアが少ないのが大きな要因です。ですが、昨今はAI問診システムなども登場していて、近い将来に実現されるかも知れないと、期待が高まっています。

事例③:スマートフォン

スマートフォンにもAIエンジンが搭載されています。iPhoneの音声アシスタント「Siri」が有名です。
また、2017年に発表された「GoogleLens」では、カメラ撮影した画像データを元に情報を検索できると話題になりました。画像処理はAIエンジニアの中でも活躍が見込まれる分野で、2020年5月の段階では開催が不透明である東京オリンピックですが、もし開催となれば、防犯対策のためにAIによる画像解析が多くのシーンで活用されることでしょう。

事例④:IP電話

クラウドIP電話「Miitel」が話題です。AIによる電話の音声解析で、成約率の高いトップセールマンの営業トークを可視化できます。

特に法人営業では電話対応の質が成約率に直結することもあり、BtoBビジネスを展開する企業からの注目が高まっています。

事例⑤:チャットボット

チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を合わせた言葉で、ロボットと自動でチャットができるアプリケーションのことです。

チャットボットには、チャット内容を登録しておく「ルールベース型」と、AIが自動で最適なチャットを行う「AI型」の2種類があります。AI型を使えば自動で営業を展開できることから、企業のインサイドマーケティングでの活用が広がっています。

ITRの調査では、チャットボット市場のCAGR(年平均成長率)は35.3%の伸びが予想されていて、市場の波に乗ろうと、多くのスタートアップ企業が誕生しています。競争力を確保するために、各企業は優秀なAIエンジニアを求めています。

事例⑥:ゲーム(将棋)

プロ棋士の藤井聡太さんは、「将棋の研究にAIを取り入れている」ことでも話題になりました。全くの余談ですが、筆者は数年前、東京千駄ヶ谷の将棋会館で藤井さんにお会いしましたが、とても丁寧に挨拶してくれました。すごく礼儀正しかったです。

AIエンジンを搭載する将棋ソフトが増えてきていて、例えば、スマートフォン用アプリ「将棋ウォーズ」を開発している株式会社HEROSでは幅広くAIエンジニアを募集しています。

事例⑦:自動運転技術

自動運転技術では、Googleの「Waymo」が一歩リードしています。しかし、トヨタ、日産、マツダなどの国内自動車メーカー各社も自動運転技術の開発に力を入れていて、競争が激化しています。

一例としてトヨタでは、「車両ビッグデータを活用した新サービス開発」として、AIエンジニアの募集を行っています。

自動運転技術に興味がある方は、自動車メーカーの採用サイトを確認すると「AI人材」のニーズが分かるので、チェックしてみるのがおすすめです。

事例⑧:ドライブレコーダー

ドライブレコーダー「nauto(ナウト)」は、AIの深層学習を使って自動車に取り付けられたカメラ画像の解析から危険運転を分析します。

本人では気づけない危険を察知できることから、運送会社などで活用が広がっています。昨今は、高齢者の自動車事故が話題ですが、危険運転の判別のために「AI搭載型のドライブレコーダー」の活用が広がるかも知れません。

事例⑨:介護ロボット

厚生労働省が発表している「平成30年版厚生労働白書」によると、日本の人口は減少が進み、2065年には総人口が9,000万人を割り込んで、高齢化率は38%台の水準になると推計されています。

介護職の不足を補うため、介護ロボットの開発が加速しています。一例として、AI搭載型の介護ロボットアイオロスロボットは、人の表情や音声をAIが学習し、人間らしいコミュニケーションを実現してくれます。老人ホーム、1人暮らしのご家庭などで活用の幅が広がっています。

介護に関わらず、ロボットはAI搭載が加速すると予想されている分野です。ただし、機械工学の知識が必須になりますので、ロボットに興味があるか、理工系学部出身者が目指すべき領域です。

事例⑩:人事

人事評価にもAIが活用され始めています。「HRテック」と呼ばれる分野です。一例として、人事評価ソフト「タレントパレット」では、適材適所の人材配置を実現するため、様々な評価基準を元にAIが自動で人材を判定します。

採用時の人物評価として活用できるソフトも登場しています。「AIが人材を評価する」仕組みは、人材活用の場において今後ますます浸透していくことでしょう。

まとめ

AI人材は不足していて、様々な活躍フィールドがあります。

少しでもAIに興味があるのであれば、まずは「AI人材」の定義を元に目指すべき職業を決めることが大切です。

特にAIエンジニアは、企業からのニーズも高く、未経験者向けの学習環境も充実しています。エンジニアを目指す場合は、今回ご紹介したような「どのフィールドで貢献したいか?」を探っていくと道筋が見えてきます。ぜひ活用してみてくださいね。

著者:はっつん

IT企業のマーケティング兼、フリーランスライター。医療系IT企業で、エンジニア、法人セールス、マーケティング、事業運営と、10年以上のキャリアを歩んできました。これらの経験をベースに、進化するAIに関するテクノロジーの解説、ビジネスへのインパクトなど、幅広い観点からの記事を書いています。

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