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株式会社ミクシィ 岩瀬 靖彦(いわせ やすひこ)

ミクシィ×機械学習②~エンジニアへの転身のポイントは「思い切り」と「楽しさ」~

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AI の活用と、AI 人材の活躍を分かりやすく紹介するこのシリーズ。
第四弾の今回は、中学校の教員からエンジニアに転身し、現在はSNS「mixi」で機械学習を用いた機能の開発・運用に従事している株式会社ミクシィの岩瀬 靖彦様にお話しを伺いました!

SNS「mixi」~機械学習で業務を 80 % 削減!?~

七戸
本日はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございます。早速ですが、SNS「mixi」に導入されている機械学習はどのようなものでしょうか?
岩瀬様
SNS「mixi」では、以前からユーザに対するレコメンド等に機械学習を利用していましたが、最近の取り組みで「投稿が利用規約に違反しているかどうか」を判断する用途にも機械学習を適用しました。
七戸
なるほど!たまに発生する「規約違反にする投稿」を発見するために、人が全ての投稿に目を通すのは負担が大きいですもんね…
岩瀬様
まさにその通りです。投稿監視にかかる時間と労力の軽減は、長年にわたって課題とされてきました。この課題を解決すべく、mixi の投稿監視では『機械でできることは機械に任せ、より複雑さの求められる領域に人間が注力できるようにしよう』と考え、機械学習によって「規約に違反していない投稿」を検出し、人間が監視しなくてはならない投稿を減らすことを目指しました。
七戸
『機械学習を特別な技術と捉えず、ビジネスの課題を解決するための方法の一つと捉えるようにしたい』を信条とする御社らしい素敵な取り組みですね!実際には人の負担がどれくらい軽減したのでしょうか?
岩瀬様
人間が監視すべき投稿数を約 80 % 削減しました。全投稿数を 100 % とした時、その内のうち約 80 % を機械学習モデルによって「規約に違反していない投稿である」と判断できています。その残りの 20 % の投稿を人間が監視する状況に変えることができました。
七戸
80 % もですか!?素晴らしい導入成果ですね!「規約に違反している投稿」ではなく、「規約に違反していない投稿」を判別しているのは何故でしょうか?
岩瀬様
「規約に違反している投稿」だけを機械的に処理する方法も検討したのですが、機械学習モデルの精度の問題で、誤検出を低く抑えることができませんでした。誤った処理を機械的に行うと逆に人間のコストが増えてしまうため、グレーなものは人間の判断に任せ、より確実に「規約に違反していない」と判断できる投稿のみを機械的に処理する形に落ち着きました。
七戸
「投稿監視にかかる時間と労力の軽減」という課題に対して、現状で最適な解決策が、約 80 % の「確実に規約に違反していない投稿」を判別する機械学習だったということですね!

エンジニアへの転身のポイントは「思い切り」と「楽しさ」

七戸
そんな岩瀬様はどのようなキャリアを経て、機械学習を開発・運用するに至ったのでしょうか?
岩瀬様
まず、私は中学校の教員を新卒から二年ほどやっていたのですが、そこからエンジニアにキャリアチェンジしました。
七戸
凄い経歴ですね!中学校の教員からエンジニアに転身したのは何故だったのでしょうか?
岩瀬様
自分自身にとって、「将来が見通せるようになった」ように感じたことが、理由として一番大きかったと思います。
七戸
「将来が見通せるようになった」というのは、「○○歳で主任、✕✕歳で副校長」といったことでしょうか?
岩瀬様
はい。当時インターネットや IT 業界が賑わっていた時代だったので、「まだ新しいことに挑戦できるのではないか」と考え、思い切って転職しました。エンジニアとして働いて 20 年ほど経ちましたが、教員時代より今のほうが楽しいですね。キャリアチェンジして良かったと思っています。
七戸
素敵ですね!岩瀬様のようにエンジニアへの転身を目指す際には、何が重要になると思いますか?
岩瀬様
思い切りの良さですかね。「これをやりたい!」というものがあるのであれば、やってみると良いと思います。僕自身も「とにかくやってみよう!」という勢いで転職したので。実際に転職してしまえば、勉強せざるを得ない状況になり、勉強しているうちにできることが増えてくると思います。
七戸
なるほど。未経験のものを一から学習するのは大変なことだと思うのですが、それをやりきるコツはありますでしょうか?
岩瀬様
僕の場合、「以前の状態に戻るのは嫌だ」という思いが強かったのが、やりきれた要因の一つだと思います。もう一つの要因は、理解したり、できるようになるのが単純に楽しかったことです。やはり興味を持った分野でないと辛かったと思うので、興味のある分野にこだわることは重要だと思います。
七戸
興味のある分野に挑戦していれば、わからないことが多いからこそ、理解していく楽しさが大きくなりますもんね!
岩瀬様
そうですね。
七戸
社会人になってからエンジニアになられたということは、機械学習に必要な知識も業務の中で学んだということでしょうか?
岩瀬様
そうですね。データを扱う業務が多かったのですが、その業務の中で数学や確率統計を学んでいき、機械学習にも今回チャレンジしたというのが大まかな経緯です。
七戸
ありがとうございます。数学や機械学習を学ぶ上でのアドバイスなどはありますでしょうか?
岩瀬様
「詳しい人に聞ける環境にある」ことの重要さは強く実感しています。弊社には機械学習や数学に詳しいエンジニアが多数おり、わからないことがあれば気軽に聞くことができる環境でした。細かい疑問をすぐに解消できたので、理解を深める上でとても良かったと思っています。
七戸
つまり、詳しい人に気軽に質問できる環境を作ることが重要ということですね!機械学習の話ではないのですが、私も業務の中で似たような経験があったので、とても共感しました!インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
今回お話を伺った方
株式会社ミクシィ 岩瀬 靖彦(いわせ やすひこ)

1978年生まれ。公立中学校教員ののちSI企業でプログラマとなり、外国為替取引システムの開発や、Yahoo! Japan の Yahoo! 知恵袋や Yahoo! 検索のサービス開発・データ分析業務に従事。2012年にデータ分析エンジニアとしてミクシィに入社。SNS「mixi」の分析基盤の整備やKPI策定、施策の効果測定などに携わる。その後Vantageスタジオに所属して新規事業の開発サポートや、SNS「mixi」の検索エンジンやレコメンド、機械学習プロダクトの開発・運用に従事。