データアナリスト、機械学習エンジニアが語るAIキャリアの形成について【6/27(木) AIキャリアイベント #4】

2019年6月27日、渋谷ソラスタコンファレンスでESTYLE AI LOUNGE主催のもと「【ESTYLE AI LOUNGE】データアナリスト・機械学習エンジニアの実情とAIキャリアの築き方」が開催されました。

イベントではデータアナリストの浅野礼子氏(株式会社ドコモ・インサイトマーケティング)、u++氏、機械学習エンジニアのばんくし氏に、自身の経験や今後のAI人材のキャリアについてお話いただきました。

本記事では浅野礼子氏、u++氏、ばんくし氏によるパネルディスカッションの内容をお届けいたします。

目次

転職や就職に向けて準備したことは?

浅野礼子氏(以下、浅野):かなり昔のことで、あまり参考にならないと思いますので、なぜドコモに入社したのかについてお伝えすると、お客様と対面しながら、一緒に何かを作っていきたいという思いがずっとありました。カタチのあるものだと何かと制限されることが多いと思ったので、通信という無形なもののほうが、お客様のやりたいことに寄り添えるのではないかと思い、ドコモを選びました。

ばんくし氏(以下、ばんくし):私のは大体スライドで伝えた通りですが、私転職する前にめっちゃ準備していて。転職先の知っている人全員に声かけて話を聞いたり、質問したり、インターネットで会社の採用面談で何が聞かれるのかを調べたり…。転職準備はめちゃくちゃやりましたね。結構好きなんですよ、そういうの。

u++氏(以下、u++):私の場合は自分が大学時代にやっていたことと就職先が近しいのもあって、大学時代に大学新聞をやっていた経験と、学問としては人工知能や機会学習も勉強していたっていうことが、マスメディアでプログラミングするところに着地したので意識的に準備するのはあんまりなかったですね。面接とかでもありのままをお話ししたって感じです。もともと事業会社で技術を使って貢献したいなと思っていたので、面接前にはできる限り会社の情報は調べていきました。

ばんくし:これは強者の理論ですね…。

(会場笑)

機械学習エンジニア、データアナリストになるために具体的にどういう勉強をしたらいいのでしょうか?

浅野:私はデータアナリストとして、お客様に一番近い部分に立っているので、モバイル空間統計について熟知しているのは当然ですが、その上でこのデータをお客様側でどのように活用いただき、利益を生み出していただくかが重要で、顧客の中期計画を読みあさったり、とにかく直接お話を伺って、お客様の課題や業務内容を勉強させていただきます。私がこの仕事を始めた5年前はまだ、外部のデータを購入してまで使うってことが浸透してなくて。5年経ってようやくデータ分析の環境が整い、活用することが浸透してきたので、お客様がしやすくなったと思います。

ばんくし:立場によってわかれると思いますね。私のような機械学習エンジニア、いわゆるAPI、ライブラリを開発するような立場からいうと、勉強しとくのが一番重要なのはコンピューターサイエンス。機械学習もめっちゃ大事ですけど、開発においてはコンピューターサイエンスできてないと結構採用されないっていう事例が多くありますね。あと、今後機械学習はライブラリが使えたら誰でもできるような時代がくるんじゃないかなと思っていて、その中で自分を突出させるためにはコンピューターサイエンスは絶対やっておいたほうがいいと思いますね。

u++:個人的には機械学習だけを勉強しておくのではなく、事業会社に入るなら「その会社や業界がどうやってお金を稼いでいるのか」などの事業ドメインをきちんと抑えておくのが良いかなと思います。

機械学習エンジニア、データアナリストになって良かったと思うところ、悪かったところは何ですか?

浅野:悪かった点は一つも思い浮かばないですね。私は予期せず上司に引っ張られてこの業界に入ってきたので、本当にラッキーだったと思います。この5年で時代が大分変わってきて、良いタイミングでその波に乗らせてもらったって感じですね。かつ、仕事をご一緒するのは経営層だったり、中枢部署の方々ばかりで、お客様に教えていただくことが本当に多く、自己成長につながっていると思います。

ばんくし:そういう意味で言ったら私も運は良かったと思いますね。昔に比べて機械学習を取り巻く環境もだいぶ変わったと思いますし。そもそも、高専はものづくりの学校なのでものを作っていないで理論研究をしていると「実現性がない」と言われることが多いんですよ。高専のときにニューラルネットワークで家賃推定とかをやっていたんですけど「それってなんの意味があるの?」とよく言われましたし。そういう意味で時代は良くなってきたと思います。

u++:私の場合は機械学習やデータ分析っていう好きなことをお仕事にしたことで、趣味と仕事の境目がなくなったってことが良いことかなと思います。これを言うと怒られるかもなんですけど、良い意味で今も学生気分で仕事をやっていて…。学生時代にのほほんと研究室に行って、パソコン叩いて先輩と議論して…、みたいなのが会社に入っても似た感じだなあと。家に帰っても似たようなことやっているし、しかもそれ自体が業務につながったりするので。好きなことを仕事にできたという点で見れば良かったですね。

機械学習エンジニア、データアナリストになった前と後でギャップがありましたか?

u++:ギャップと言えるかは微妙なんですけど、何のための分析なのかを今まで以上に意識するようになりましたね。例えば、趣味のブログでとかだと「サッカー選手をこうやって分類したら綺麗な可視化ができました〜」っていう分析で全然OKなんですけど、会社だと全然だめで。「じゃあ、この分析結果で何が意思決定できるのか?」とか「それをどうやったらお金が得られるのか?」など、もっともっと深い部分の分析を考えないといけないなと思いましたね。これは会社に入る前にある程度わかってはいたけど、もっとちゃんと考えなきゃいけないなと思いましたね。

機械学習エンジニア、データアナリストになってからの成功体験はありましたか?

浅野:私がこの仕事に就いたとき、職場には私とは別次元で生きてらっしゃった、天才的な頭脳をお持ちの博士課程のおじさまが多かったんですね。モバイル空間統計を研究開発してきた方々です。着任してすぐにみんなでお寿司を食べに行ったんですけど、その博士のおじさまが牡蠣のお寿司を見て「牡蠣とシャリの同期が取れてる」っておっしゃったんですよね 。おいしいって言えばいいのに(笑)。

(会場笑)

私は「えっ?やばい職場に来てしまったな。」って思ったんですけど、私がなぜこの職場に呼ばれたか、最近はその意味がやっとわかってきていて。というのは、優秀な方々が、何年も研究開発してきたこの素晴らしいデータって、お客様からするとものすごく難しくて遠い存在だったんですよね。私はお客様と技術者の間に立って、双方の思いを通訳してデータを解釈してからお客様に届けるというのが自分の存在意義なんだなとわかってきました。お客様からすると技術的な部分っていうのはあまり興味がない方が多くて、その技術は、自社にどのような利益をもたらすのか?どんな活用ができるのか?これが重要なんですよね。まだまだですが、お客様に活用いただき評価いただけていることが成功かなと思いますね。

ばんくし:成功って意味だと機械学習って私が思っているところでいうとPayがめっちゃ大きくなる。今まで人でやってきたことを効率化することって人件費の削減になるし、数%の改善でn億円売り上げの増加とかになるんですよね。自分の細かな改善で企業が毎年儲けられるのはインパクトが大きくて面白いなと思っています。

u++:チームとしての成功体験として良かったなって思うのが1個あって、サービスから離脱しそうなお客さんを判別する案件で、機械学習的なアプローチも試した上で最終的には機械学習を使わない手法に落とし込んだことです。機械学習プロジェクトを機械学習プロジェクトじゃなくした感じですね。ビジネス側の人も含めて、機械学習とかで実現できることを適切なレベルで共有していって、お互いの理解を深めていくことは大切だなと思っています。

ではこれで最後の質問です。年収って実際どれくらいもらっていますか…?

浅野:そんなにもらってないです(笑)。皆さんの想像にお任せします。

ばんくし:私でいうと、世間的に高いと言われるくらいは貰っていると思いますね〜(シェアNG札を上げながら)

(会場どよめく)

司会:では、最後にu++さん、お願いします。

u++:そもそもまだ僕は新卒2年目なので…。僕の所属をご存知の方はネットで「〇〇 新卒2年目」で検索すれば出てくるんじゃないでしょうか…。

イベントまとめ

当日は台風のような雨が降る中、予想をはるかに超える大人数の方に集まっていただき、イベントが行われました。それぞれの講演、パネルディスカッション、そして会終了後の懇親会も盛り上がり、大盛況のうちにイベントを終了することができました!

ESTYLE AI LOUNGEでは今後もこのようなキャリアイベントや小規模のハンズオンイベントなどAI・機械学習に特化したイベントを引き続き行っていく予定です。ご興味のある方はぜひ、ご参加ください!

ESTYLE AI LOUNGE(connpass)

また、ESTYLE AI LOUNGEでは新規AI事業を一緒に進めていくビジネスプロデューサーを募集しています。ご興味のある方はお気軽にご応募ください、お待ちしております!

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登壇者の皆様、参加してくださった皆様、ありがとうございました!

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